スーパー旅人化計画

いわゆる早期退職制度を利用して50代でサラリーマン引退したおっさんのブログです。ここから働かずしてどこまで旅人として生きていけるか。それは私もわかりません。途中で就職するかもしれないし。

iDecoの不都合な真実

新NISAも始まって、今年から投資を始めましたという人も少しずつ増えていると思いますが、老後資金という面でNISA以外にiDeCoというのがあってどちらを利用すればいいんだろうと考えている人も多いと思います。

あくまでも個人的見解ですが、どちらもやっている者として、世の中でiDeCoを紹介されている記事とかを見て疑問に思うところをまとめてみたいと思います。

 

この記事ではNISAとかiDeCoの制度内容などの詳細は解説しませんので、そちらは他のサイトなどを参考にしてください。

またあくまでも私個人の見解ですので、個々人のさまざま条件なとによって変わってくることも考慮してください。

 

 

iDeCoとNISAとの比較でよく言われること。

 よく言われるのはiDeCoは60歳以降にならないと受取出来ないことを考えておかないといけないということですが、それよりも個人的に気になるのは税についてですね。

 大体こんなイメージで紹介されているかと思います。

タイミング NISA iDeCo
拠出・投資 なし 全額所得控除
運用時 運用益は非課税 運用益は非課税
受取時 なし 退職所得控除、または公的年金控除が受けられる


 まあNISAについてはこの通り(配当の受取については「株式数比例配分方式」にしていないと課税されますので注意ですが)なので、iDeCoについては少しからくりがあるので注意が必要だと思っています。

 

 

・受取時には退職所得控除または公的年金控除が受けられる。

 NISAは必要な時に売却すればその売却額が入ってきて課税されないというだけなので単純ですが、iDeCoの場合、一括で受取、年金で受取、一括・年金併用で受取という形になります。

 その際、一括で受取ればそれに対しては退職所得控除額を引いた残りの額の2分の1に対して課税(所得税および住民税)され、年金で受取れば他に給付を受けている年金と合わせた年金総額に対して公的年金控除額(およびその他基礎控除等の控除)を引いた残りの額に対して課税(所得税および住民税)されるということになります。(ざっくりですが)

 そしてこのときの対象となるのは元本(毎月投資した金額の累計)とか運用益とか関係なく受け取る総額になるということは理解しておいた方がよいかと思います。

 

 まあ個々の条件によって控除額の範囲内になれば無税とはいえますが、公的年金控除は現在65歳以上で110万円でその他基礎控除合わせても単身世帯だと155万円以上になれば課税されますし、当然ながら社会保険料も増えていくことになります。年間155万円って月だと13万円切るぐらいですから、基礎年金だけしかない人ならともかく、サラリーマン30年続けた私でも軽く超えるぐらいの金額なので、iDeCoとしてプラスになる分は全て課税対象になると考えておいた方がいいでしょうね。

 

 また退職所得控除については現在は勤続20年以上であれば「800万円+70万円×(勤続年数-20)」なのですが、終身雇用という考え方が薄れているという社会環境から見直しが検討されてますので、早晩変更されるでしょうから、その辺りの影響も出てきそうです。

 

 受取時の税金についてはあまりにも個人の状況によって変わってしまうので、断定は出来ませんけど、受取金額総額が収入金額(その後に様々な控除をする前の金額)とされるということは考えておいた方がいいと思います。

 また、iDeCoを薦める人でこの点を触れる人はほとんどいない感じに思います。

 

 受取時の税金については私も退職後に始めてますので、実際どうだったのかは10年くらい先になりますが、アップしたいと思いますが。(まあ生きてればですね)

 

 

・上記を考慮して投資額が所得控除される、運用益が非課税だということを考えると…

 結局、出口で課税対象とするから運用のときは除外するっていう考え方なので、そもそもNISAの運用益非課税とは違う考え方だと理解すべきだと思うんですよねえ。

 その上、税法については20代で始めて受け取る60代70代になるとそんな長い間変わらずに運用されているかというのは謎ですし(もちろん控除額が増額されることもあるでしょうがその場合はインフレも相当進んでいるということなのでしょうし)、現に退職所得控除のように議論されているものとか、公的年金控除も数年前に10万円減額されたりしていますので、無条件に控除出来る、非課税だからいいんだと決めつけるのは難しいだろうというのが私の判断です。

 

 

・意外に忘れられている手数料

 私の場合、SBI系でiDecoをやっていますが、毎月拠出時には拠出金額から手数料が171円引かれるのと、さらに口座維持管理費として毎月66円が引かれます。後者については拠出終了後から最終的に退職金相当して還付を受けたり年金として給付を受けて残額がなくなるまで引かれます。

 また還付を受けたり給付を受けたりするごとにも手数料が引かれます。

 当然ながらNISAの場合は投資信託等であれば様々な手数料はかかりますが、そもそもiDeCoで同じ商品を買った場合はそれらに追加して上記の手数料が引かれるということも考えておく必要があると思います。

 

※手数料についてはSBI系ではこんな感じでまとめられています。→iDeCoをはじめる・移換する 手数料・その他費用|SBI証券の個人型確定拠出年金:iDeCo(イデコ)|SBI証券 (sbisec.co.jp)

 

 

以上、いろいろ考察してきましたけど、個人的にはNISAよりもiDeCoという考え方には賛成出来ないですし、若い人に対して薦めるのも違うかなあって思っています。

まずはNISA枠埋めて、40歳過ぎていろいろ余裕が出てきてまだ投資に回せる金があるなら考慮してもいいかなあというレベルだと思います。

私が以前勤めていた会社の財形制度でも年金財形は40歳以降しか加入出来ませんでしたからねえ。まあそういう会社の制度をうまく使っていくのもいい手だと思います。

 

 

改めてこれらの考え方は私の考え方であって、個々人の状況等によって変わってきますので、あくまで参考程度に思っていただければと思います。